地域デザインをめぐって vol.26 “UDC コンペ”

第20回「まちの活性化・都市デザイン競技」松戸市長特別賞受賞!

 2017年度に行われた、第20回「まちの活性化・都市デザイン競技」(対象地区:松戸駅周辺地区)に、萩原(研究員)、伊藤(M2)、永門(M2)、新妻(M2)、中戸(都市デザイン研M2)で応募。その作品(タイトル「寄る辺の津、いざなう瀬」)が松戸市長特別賞に選定された。今回は、提案作品の概要と、コンペの取り組みについて振り返る。

▲コンペメンバー

〇要旨(UDCホームページより)

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〇提出パネル1枚目(UDCホームページより)

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〇提出パネル2枚目(UDCホームページより)

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〇現地発表スライド

現地発表1 現地発表2 現地発表3

Ⅰ 提案の概要

■地区分析

ー歴史

 「津」は、松戸という地名の由来ともされる。両者は江戸時代から高度成長期を経て現在に至るまで、その意味を変えながらも松戸の中心市街地を形成してきた。

 

ー現状

 現在、松戸の町は転換点を迎えていると言える。都心直結という利便性を生かした大規模マンションが増加している一方で、商業施設の閉店や改装が起こっている。この傾向を、住まい暮らす人を意識して前向きに捉え、駅中心志向ではない、より細やかな都市デザインを考えることが必要になってきている。

 

■コンセプト 「新たな『津』と『瀬』でまちを寄る辺に」

 これまでの「津」は、渡し場や宿場町、乗換駅といったものを指していて、それらが物資や人の中継地・集散地として、2 つの圏域を繋ぐ機能をもっていた。それに対し、これまでの「瀬」は、物資や人の輸送路と輸送機関のことを指し、河川と船、街道と馬・籠、線路と列車が、遠く離れた場所を結ぶ役割を果たしてきた。

 新たな「津」は、まちの機能が多様化する今、広域的な「津」の中で生活の拠点となる場所で、人々が憩い滞留し、歩いて巡ることのできるヒューマンスケールの空間とする。新たな「瀬」は、歩道・ペデストリアンデッキなど、人が快適に歩ける路と捉えることで、「瀬」は「津」を結ぶことで回遊性をもたらし、松戸の街の持つ文化性を再発見するきっかけとなる。

ー想定した生活者像

 今回の提案では、3つの生活者像を想定し、それぞれに応じた提案を考えた。

・対象地区に家を持つ「住まう人」…まちでの消費行動や、地域とのかかわりを充実させるべくまち全体を享受するような暮らしや公共空間のあり方を提案

・通勤通学・買い物で日常的に利用する「暮らす人」…「津」における施設の再編などで回遊・滞留するきっかけを作る。

・文化施設や買い回り品の買い物など、非日常的に利用する「尋ねる人」…行政・商業・文化面での拠点性を利用し、まちでの消費につなげるような施策を行っていく。

ー事業手法

 滞留空間と拠点という、2つの性格を持つ新たな「津」を、どのように整備するか検討した。基本方針は、場所の特性に合わせて、シンプルな手法で整備することである。商業施設では、建て替えや機能更新が必要な中、再編の際にはOSを有効に組み合わせることで豊かな都市空間を創出することを目標に、OSの維持管理を条件として初期投資の支援を行う。公共用地では、OSの維持管理が難しいことから開発にOSを組み込むことにより物件としての価値を向上させることを目標に、商業施設や民間開発業者を指定管理者として指名し、維持管理を行ってもらうという施策を行う。


ー全体計画

 「津」の整備の際のルールでは、再開発に合わせ、動線を確保する。オープンスペースを設置する。樹木等の植栽の保全を行うこととした。

 「瀬」の整備の際のルールでは、「津」の開発に合わせ、接続性を意識すること。歩行者が回遊空間として享受できること。台地や川沿いの緑、街路樹を連続してつなぐ緑のネットワークを構築することとした。

■デザイン

「津」ー相模台のがけ部

 現状の課題として、相模台の河岸段丘によって新拠点ゾーンと駅前の市街地は分断されていることと、崖線に沿って商業施設や住宅が並び、自然地形を認知しにくいことが挙げられる。提案では、相模台上下を結ぶ動線をスムーズに接続することと、相模台の地形を回復することを目指し、既存の樹木を残しながら相模台の崖線に沿って段上である商業施設を設計した。低層部には駅前や周辺に住まう人、暮らす人向けの商業店舗を配置。屋上部には松戸のまちや江戸川が一望できる屋外テラスとオープンカフェを設置し、訪れた人がここで充実した時間を過ごせるようにした。

「津」ー相模台の上

 相模台はシンボル軸及び南北方向への動線を確保した上で、それぞれのエリアの特徴に合わせたゾーニング及び設計を行う。南側は地形と既存樹木を最大限に活用して図書館などの文化施設を配置する。図書館北側には、周辺大学の学生や周辺住民のためのコワーキングスペースを設ける。シンボル軸沿道には、多くの集客が見込まれる商業施設・市庁舎・大ホールを置く。ここでは、商業施設での収益が公共施設の運営に充てられるようにした。また、既存道路を地下化し、シンボル軸との交点にロータリーを設置して、東口発着のバスを一部移転するなど、アクセスにも工夫を施した。

「津」ー市役所移転跡地

 住民のための公共機能の器として再設計。市の保有地であることを活かし、一部敷地の開発をディベロッパーに許可しながら、一方で公共機能の充実と公園の維持を図った。高台のため自動車道路から離れていることから、子供達が安全に遊べる公園や、建物の一階・二階部分に幼稚園や高齢者福祉施設を設置するなど、公共的な機能・憩うための機能を導入する。住居部分の低層部はサービス付き高齢者向け住宅とし、高層部はディベロッパーの裁量で一般的な住宅としていく。伊勢丹店舗の跡地では、隣接する松戸ビルと共に建て替えを行います。既存の商店街や坂川に整備された公園をゆるやかに繋ぐ動線を確保し、線路を越える歩道橋へのアクセスにも配慮する。低層階は飲食店等の商業テナント、中層階はオフィス、上層階には都心直結ながら家賃が比較的安いことからウィークリーマンションを組み込み、多様な利用者層の「瀬」を組み込む。

「瀬」ーシンボル軸

 シンボル軸は「津」や江戸川への歩行者流動を広げる根幹となる軸である。シンボル軸沿いの交差点に、「津」へ歩行者を導く「まちかど広場」を整備する。シンボル軸と坂川の交点には、2つの橋詰広場を同様に整備する。広場には、ベンチや樹木による滞留空間を整備するとともに、シンボル軸上の良好な歩行環境を確保する。松戸駅に近いエリアでは、一部車道幅員を縮小し、オープンカフェや駐輪スペースを設置、沿道建物の一階は開口性の高い用途として賑わいを演出する。また、通り全体を通して、街路灯や並木の設置、民地を含めた舗装の統一を誘導し、シンボル性を高めていく。

「瀬」-シンボル軸以外

 例えばバリアフリーに対応し、一休みできる滞留空間を設けた跨線橋を設けるなど、歩行者のための空間整備を各地で行う。また、歴史的・文化的資源に「瀬」を引き込み、それらの資源に深みをもたせるといったように、各地で細かな施策を行っていく。

 このように、新たな「津」と「瀬」によって、松戸らしさを未来へと継承するまちづくりを描いた提案を行った。

▲松戸市長特別賞受賞式

▲審査委員長の西村先生と

 

Ⅱ 振り返り

本コンペの感想・得られたこと・反省点などを、座談会形式で振り返った。

■ 現地に行った第一印象

中戸:松戸に行ったことがあったのは自分だけだった。とはいえ、伊勢丹とスタバに行くくらいしかイメージがなかった。

萩原:伊勢丹とスタバにしか行かないというのは、他の目的があって行く場所ではないということ?

中戸:そういうこと。やりたい活動のイメージとかがある感じではなかった、そもそも考えたこともなかった。友達がいて遊びに行ったことはあったけど……

新妻:最初(現地調査当日)は駅の東口から降りたんだっけね。降りた時はペデストリアンデッキは結構びびった。ペデ上で段差があって、1階2階のレベルも違ってごちゃごちゃで、カオス感がなかなか。

永門:地形はあるけどわからなかったって印象。ヨーカドーが壁で。

伊藤:もっと駅前の話したい。とにかく狭かった。奥行きも幅も、なんだろうね、初めての場所すぎて言葉にできないけど、、、うーん、、、

永門:市街地がだだっ広い印象はある。東も南北に長いし。降りた時はわからなかったけど、歩き回ってみるとそんなイメージ。だらだら広がってる感じ。

新妻:相模台は?

伊藤:相模台、(ヨーカドーの)エスカレーターで上っていくと、別世界という感じ。ペデの2階レベルできて、建物の中で5階まで上がって相模台につくから、その不思議な感じ。知り合いがいて「ヨーカドーが9時開店だから、一限の時間は店がやってないから大学に間に合わなくて、横の階段を登らないといけなくて大変」って言ってた。動線的にも見た目的にも完全に、、なんかしないと、って思った。

萩原:課題書的にはあそこにシビックセンターを作るってことだけ言われてたけど、あの分断感をどうするかが問題だったよね。

新妻:(相模台から)すごい細い降りてく道、一方通行の、あれも結構印象的だったよね。

伊藤:街の人があまり好きじゃないことはなんとなくわかってるけど、個人的には結構すきな場所だった。地元の人は暗いし坂だしで多分なんか、ね、あんまりいいところでないと思ってるのは重々承知しておきながらもなんか、地形を感じられるところだったから、、、ただ、それで「確かに(気になる場所)」って返ってくるのはこの界隈しかいないよね。

永門:逆にそれだけ他の場所だと地形を感じられるところが希薄ということ。

萩原:地形っていうと、坂川とか、水辺の要素もあったと思うけど、ああいう都市の水辺ってのは活かすポイントだと思ったけど、、、

永門:坂川は微妙に親水空間整備したところがあったけど、まわりにつながってない感があって、そのあたりは回収できたかわからないけど…

新妻:江戸川は遠いよね。

伊藤:(江戸川は)スケールが違いすぎて、扱いが難しかった気がする。

 

■なんでこの提案に行き着いたのか

新妻:最初はやっぱり萩原さんのインスピレーションだったよね。

萩原:歴史って、都市デザイン研究室と地域デザイン研究室好きじゃないですか。それが手がかりになればなあと、とりあえず調べた気がしますね。

伊藤:住宅地図色塗りとかもした。

新妻:地道な作業好きだよね。みんな。他にもいろいろ忙しい時期で、国会図書館の開館凸したのも懐かしい。

永門:地道に作業して、派手じゃないけど、って提案しがち。

新妻:現地発表で硬い発表だね、て言われたの覚えてる。

伊藤:「津」が出てきた時の、「うん、そうですね」感はすごい。

萩原:どういうこと笑

永門:広がりがありそうな言葉だなとは思ってた。

新妻:これより良い言葉があれば探そうって話になっていたけど、結局これをブラッシュアップしようってなったのはいつ頃だったっけ。

中戸:1週間前だった気がする

萩原:最初に現地に行ったときの印象として、南北方向の都市軸みたいなものが発達してて、都市の形成段階が5枚おろしだなあという気がした。そこで、東西方向への人の流れをどうひもづけるか、というのを考えていて、個人的な発想としてはそこがベースになっているかもですね。

永門:東西のつながりがないって感じですね。シンボル軸って話はあったけど現状全然見えていない。

伊藤:ダイアグラムかいてこようという時期をけっこうやってたが、そのときは条件にも有るから「シンボル軸」といって線は引くけど具体的なイメージがぜんぜん湧かない、個別の敷地の話のほうがいろいろ出てきた。

萩原:どういうライフスタイルというのを思ったのか。

中戸:このライフスタイルの表を作ったのって永門だっけ。

永門:郊外ライフスタイルみたいな、駅があるし、日常的に使うのがあるのと、マンションが増えてここに住む人が増えてきているよねって話と、伊勢丹とかにホールがあって、そことかを日常的に使う人もいて、そこはレイヤーがあるんだろうなというか、そこは街全体を扱うんだから考えなきゃな、って整理をつけた覚えがある。

萩原:こういうライフスタイルは、松戸ならではなのか、郊外圏でこういうのが起きればよいのかという感じ?

永門::郊外でも一般的に起きることなのかなと思う。それぞれの交通機関がどう変わっているのかとか、そういうところにも引っ張られるのかなとか。

新妻:市街地形成の歴史があって、そこからの話もあったよね

中戸:どんなプロセスで考えていったんだっけ?「津」がわりと先にあった気はするけど……

伊藤:新京成の乗降客数が減っていて、それが松戸駅の乗降客数の変化と同じだった。

デパートがあるような、郊外に住んでいる、多分どの町でも、すまう、くらす、たずねるが大小あると思って、たまたま松戸が訪ねる要素、訪ねざるを得ない要素。乗換駅だからってのもあるけど、そういう特徴を踏まえていければと思った。郊外*乗り換え。

中戸:同じようなところを探そうというのもやった。川口とか。そのへんから、こういうライフスタイルの考え方が出てきたのかもしれない。

伊藤:一概に、どの街でもハマる考え方というわけじゃなくて、有る種の役割を担ってるから成立する考え方というので、おもしろいとこだなあと思った。

 

■まとめるときの試行錯誤を振り返る

伊藤:敷地の中の設計も大変だったよね。中戸さん。

中戸:細かいもの決めてったのは結構後だったよね。

伊藤:設計条件として提示された条件の中で、個別の開発についてけっこう決まってた。

中戸:空間のアウトプットは他のグループの提案を見ても似たようなものだった。

伊藤:親水空間とか、昔の道のつながりとか。悩んだところありました?

萩原:空間の中に「津」と「瀬」を入れ込むとはどういうことだった?

中戸:「津」と「瀬」のコンセプトと、個別の空間の作り方が先にあったから、いざどう具体的に落とし込んでいくかというのが最後に決まっていった。

萩原:それがある意味、空間設計の考え方を決めていった気がするけど。

中戸:それぞれの開発ポイントは「津」も「瀬」も考慮しようってところから、詳細も全体も決まっていった。

伊藤:そういうのを踏まえて、最後の最後にコンセプトダイアグラムが仕上がった。中戸が帰った後に電話で真夜中に相談したわ(笑)。地形も歴史も、「瀬」のコンセプトに取り込んでコンセンサスがとられていった気がする。あとは細部の設計。大きいところはうちらでやったけど。

中戸:大事だけどみんなでやってると抜け落ちてる部分を萩さんが埋めてってくれたのは大きいです。

伊藤:自分の作業してたら、あ、できてる、みたいな。ずっとこういうことやんなきゃなとは思ってたんですか?

萩原:頭の片隅にはあったかもしれない。ただ拠点となることをみんながやってくれているので、自分ができるところはなんだろうと(笑)。拠点となるところを整備するのは、これまでの松戸と何が違うんだろうってことになり、新しいことをプラスして一つのものになるんじゃないかなあとは思っていた。

中戸:本当ありがとうございました。

萩原:そのときに発想が追いつかなくて、歴史に頼りすぎたかなあということはありましたが。

中戸:改めて振り返ると、地形と歴史、というデザ研ならではの提案になったよね、道とか斜面とか川とか…

中戸:1枚目の文章は基本永門だったよね。

永門:ガーーーって書いてた。

新妻:100戸以上のマンションを塗る作業とか、地道にやったわ。

永門:事業手法をどうするかとかは、学生だとリアリティがどうしても薄くなるから、簡単な手法を組み合わせることを考えていた。

新妻:現地での発表でもそこを推したよね。永野先生がそこが良いって言ってくださったりして。

中戸:あとはタイトルとか?最後まで悩んだこと。

新妻:類語辞典を調べまくったね。

伊藤:最初は、「津」と「瀬」に主語目的語の関係性をもたせてた。けど、考えていくうちにやっぱりこれは並列だろうということに。並行してコンセプトのダイアグラムをぐるぐるやってるうちに。

萩原:最初津とか言い出したのは自分だけど、その後の議論は傍観していた部分もあり、「こうやってコンセプトって成長していくんだな」というのは面白かったですけどね、傍から見て(笑)

一同:(笑)

 

◇ 2年前のコンペを踏まえて

新妻:3人(永門・中戸・伊藤)は2年前(学部3年次)のUDCコンペにも参加してたけど。

永門・中戸・伊藤:うわー。。。

中戸:あのときはグループワークの難しさを学んだ。リーダーじゃないけど、引っ張って議論を進められる存在の重要性を感じた。(当時は)みんな平等にやろうという感じ。

永門:あの時はみんな自分の意見をガンガン言う人たちが集まってたし(笑)

伊藤:だから、全体の中じゃあまり重要じゃないとこで時間を割いて議論してたりした。あと、純粋に時間の割き方もわかってなかった。

中戸:アウトプットに比重を置いてなかった。見せ方の大事さをわかっていなかった。ひとりっこの主語がないやつ。相手を自分と同じ前提で物事を進める傾向がある、みたいな。前提条件すっ飛ばしがち。

新妻:成長を感じたんすね。

永門伊藤:作業は重いし、考えることも多かったけど、気が楽にできたというのはある。

中戸:なにをどうやれば終わるのかわかんなかったよね。

 

■各々の一押しポイント

新妻:全体パースに時間を割きすぎて。Sketchup・フォトショは実はあまり触ったことなかったけど、それなりに使えるようになったわ(笑)

永門:一個一個建てたんだっけ?

新妻:そう。見えないところは建ててないけど。

永門:全体の市街地像が見えそうだね。

新妻:そう、現地発表のときに「あっここ立ち上げた!!」ってなった、みたいな(笑)

中戸:他のとこの発表聴いてると、視点場は同じで、画角の違いがこだわりポイントなんだなと思った。

新妻:あとは、萩さんの下請け作業をしてましたね。「ここ、埋めといて!」みたいな。テニスコートとか…

伊藤:テニスコート私がやらなかったからだ…すみません。。。

新妻:地道なところをコツコツやるのが取り柄ですから。。。(笑)

伊藤:中戸さんの推しポイントはなんですか?

中戸:え?俺何したっけ…平面図基本作った気がする。パースは一晩だったけど、平面図はしんどかった。頑張ってテクスチャ貼ろうとか、最後は潰れちゃうのに、すごい凝ってやってた気がする。

伊藤:やっぱり、平面図は1番映える図面だし、いろんな人の提案にかかわってくるから大変。1:2500ってスケールに落とすのも、なんともいえず難しい部分がありそう。

中戸:昨年度受賞作品をけっこう参考にした。設計物が戸割まではかけなくて、かたちを置いただけになるから、そのぶん外部空間をいろいろ工夫した。ペーブメントとか。

伊藤:あと、木のプロットを萩原さんにして頂いてたのもかなり助かりました……。

中戸:伊藤の頑張ったところは?

伊藤:(サブ)パースは(しっかり)描いた。2年前もメインパースを描いて、当時(卒制とかもやる前)だから仕方ないけど、惜しかった気持ちがあった。今回はその分、けっこう描き込めたと思う。

新妻:相模台の配置計画は伊藤先輩けっこうがんばったのでは?

伊藤:配置はすごい頑張った。南側を邪魔しないようにとか、色々考えたけど、結局やりたいことができたとは言えない気がする、、、やるならもっと細かいスケールでやりたかったけど、今回はそれを求められているコンペではなかったし…

永門:マスタープランでもなく、かと言って詳細な設計という訳でもなく…

伊藤:でも、それが一番楽しいところだった。あと、自分が郊外に住んでる生活経験とか、卒制も郊外部でやった経験とかを活かして議論できたのは、楽しかった。

永門:多分、分析よりのところのダイアグラムを描くとか、が主な自分がやったとこで、図面だと丁寧にディティールが大事だけど、分析・コンセプトの部分だと余計なものを書かないほうがいいから、そこの取捨選択ですごく悩んだ記憶がある。どれを書いてもしっくりこなかったり。

新妻:永門さんはパネルの配置にも悩んでたよね。

永門:でも、それは全体に関わることだから、みんなで話してるとなんとなく決まってきた気もする。

新妻:萩原さんは?

萩原:あんまり何もしてないんですけど。。。

一同:いやいやいやいや。

萩原:結構会社にいたときに、同じスケールの断面とか寄り気味の道路配分の考え方とか、拠点となるところの意味付けを考える平面とかをよく作っていたので、久々にそういうことができて楽しかった。細かい所の設計までやるコンペではないけど、こういうところを都市計画の人が作って設計の人に渡すというのが重要だと思うので、そういうことができてよかったですね。

 

■やってみた最終的な感想

中戸:新妻さんからかな。

新妻:この5人で集まった上での、現時点で一番良いものができたんじゃないかと思うのですがどうですかね。それぞれの得意分野が現れたというか。

永門:うまくそれぞれの得意なポイントを活かしながらできた気がする。

新妻:自発的に担当が決まった的な。言わずとも自然にこういう担当になっていった気がして。こういうの見れたのはあまりない気がして。他の場やプロジェクトではここまでスッとならないなあと。チームワークが良かった。

永門:普段のグループワークとかだと、誰かが抱え込み過ぎがち。

萩原:みんなけっこうモチベーション高かったのはある。

新妻:あと、初コンペだったので思い出深い。

一同:初コンペ初受賞!

萩原:全勝請負人。

新妻:(笑)。僕は進め方わからずに「こうやってやるんだなあ」って見てたんだけど、面白かったですね。院生のうちに1回やっといてよかった。

永門:それなりに時間取られるしね。

伊藤:中戸さんは?

中戸:個人的な話だけど、デザ研じゃないところでやれたというのが新鮮だった。一回夏にデザ研界隈でコンペ出して、いつものプロジェクトやってるメンツでやってていつもの延長線って感じがあったけど、地デザでやると場所もメンバーも違う気分でできたのは楽しかった。

永門:自分も似たような感じで、前回やったときはコンペだけをひたすらやり続ける感じだったのが、他のやるべきこともあるしという中で、自分は働けなかった部分もあったかもしれないけど、いろんなことに頭回しながらでも進めていくというのは良い経験になったかなと思う。

中戸:マルチタスク力が問われるよね(笑)

永門:他のことをやりながらこそできたこともあると思うし。

中戸:各々他にやるべきことがある中で、週に2回くらい集まって、ちゃんとアウトプットにできたというのは良かった。

新妻:伊藤先輩は?

伊藤:さっきも出たけど、実はあんまり辛いと感じなかった(笑)。眠いなあとかはもちろん思ったけど、なんか、その、あんま、2年前の時に感じたような辛さ、永遠に終わらないのでは、とか、これをやったところで何になるんだろうみたいな辛さはなかった。くよくよ悩まずに、いやそんなことはないけど、するっとできた。

永門:やった分だけ前に進んだ感はあった。

伊藤:チームワークが良かったのはある・何が得意で何が苦手で、何をお願いすればいいのかわかってた。それが就活にも活かせたし。

中戸:ちょうどその最中だったよね。

伊藤:何を言ってもとりあえず受けて入れてもらえるアットホーム感?

萩原:東大に戻ってきて、ちょうど計画を立てたいなという欲求を持っていた時期で、研究とかやってたけど、小高の活動も計画を深く考えるタイミングでもなかったので、良い時期にできたかなあという感じ。最初は一人でやろうとも考えてたけど、新妻さんが誘ってくれて嬉しかったです。やってみて、建築・土木の技術を勉強しないとだめだなあと思ったのと、一緒にやったみなさんはお世辞抜きでパワフルで優秀だなあと感じました。

伊藤:建築土木の技術というのはどういうところで実感されました?

萩原:地形の話で、どういう土木的・建築的な回答があるのか。そういうのを融合して考えられるのが都市計画の技術者なのでは。なんとなく考えられはするけども、それをしっかり設計で考えられればなと思う。それと、さっき得意分野って話はありましたが、裏を返せば、苦手分野を避けている、とも言えなくはないので。それは次頑張ってねと。最後一言、新妻リーダーから。

新妻:「学生ならではの提案だったので!」という、大学にいる人間が取り組んだという提案ができたのでは。理論的というか、論理的というか。

中戸:西村先生にも、「概念っぽい提案だよね」と言われたり。

永門:理屈っぽい提案だよね。

伊藤:学んできたものは詰め込めたよね。別に理屈っぽい提案でも悪くないってことだと思う。その中で魅せる系の提案が映えるということはありますが。改めて、今後こういう設計をしないのではないかというのもあるなかで、楽しく、それなりに納得のいくものができたのは良かった。

中戸:この先の皆のお仕事的にもこういうことしないよね。もしかしたらこういうスケールでいろいろと考えるのは人生最後かもしれない。

萩原:今年もあるよ。

一同:(笑)