#9

12歳の春休み、モノレールの車窓にとつぜん現れた巨大な塔を一目見たとき以来、なぜかとりこになった。
春休みには暇を見つけるといつも、聖地巡礼のような思いで訪れていく。
このとんでもなく尖ったアート(建造物)が、少なくとも私にとっては、心のよりどころのひとつになっている。

尖ったものを排してやわらかい空間をつくろうとする設計について見聞きするとき、いつも太陽の塔のことを思い出す。
のどかな郊外の空気には決して調和しない圧倒的な大きさとその異物感のせいで、計画者によって排除されてしまうことを想像する。

2014.11.21 Y.Ina