#59

泉水路のあるまち 長野市松代地区

先日全国町並みゼミで長野県松代地区を訪問した。真田氏の拠点であった城下町だ。1981年長野市は大谷研究室に地区の伝統環境保全のための調査を依頼し、その調査を担当したのが当時博士課程の学生で西村幸夫先生であった。1970年には、すでに太田博太郎先生らによる民家調査もおこなわれてはいたが、武家屋敷群のまちづくりにつながるような要素にかけていた。この大谷研究室での調査で発見されたのが「泉水路」であり、各武家屋敷の泉水(池)が水路によって繋がり、武家地の菜園の水利用なども含めた複雑な水系を形成していることを指摘し、周りの山々を借景にした庭園を含めて松代全体を「庭園都市」として伝統環境の保全を提唱したのである。
町並みゼミの基調講演は西村先生で、1981年の調査を振り返りながら、松代の町並みついて語っておられた。
2014年には地区の三庭園が登録記念物(名勝)となり、現在も泉水路ウォークなどのイベントも行われている。研究室による調査の成果が30年以上も引き継がれてまちの人たちに大事にされている。そんなまちづくりの実践をしたいと思った。
(写真は旧樋口家住宅の泉水)

#59の鈴木伸治さん(横浜市立大学教授)は、都市デザイン研究室の助手(当時の呼称)として初期西村研を支え、亡・北沢猛先生と深く横浜の都市デザインに携わってこられました。この秋から一年間、地域デザイン研究室の客員研究室として、町並みからアジアの界隈保全まで幅広くご教示いただいています。

2018.12.24 N.Suzuki