#58

数年ぶりに訪ねたベネチア。迷路のような路地、歴史が生んだ特異な風景、そして広場の魅力。しかし、その広場は以前よりもどこか閑散としているように感じられた。数度目の滞在で目が慣れてきて見えてきた光景なのだろうか。明け方早々からいくつかの教会を巡ってみる。ミサに集まる地元住民の信者の数も減ったり、高齢化していると神父さんにお伺いした。後日、地元の新聞記事を調べると、住民の数が1951年の175,000人をピークに、近年では6万人を下回っているという統計を見つけた。方や、観光客は年間約2000万人を超える。最近では住民による観光業へのデモも起きているそうだ。という僕自身、一介の旅行者でしかないのだが。経済、文化、環境、社会。それらはときに相反し合う。その中で、どのようにしてひとつの道筋を探し出せるのだろうか。様々な町を歩きながら、学びあえたらと思う。

2018.11.19. K.Washio