#53

メキシコ、グアナファト。あこがれの街を探して放浪する。坂が好きで、カラフルな街が好きで、太陽が似合って、住んでいる人も訪れる人も陽気な街が好き。

かつて銀鉱山で栄えた町は、坂に囲まれ、使われなくなった坑道が地下道として残る。地下道は街中をめぐり、ふとした道先に出入口が存在する。街に張り巡らされた階段、曲がりくねった道、カラフルに色づけされた建物。現在はグアナファト大学の学生と、観光客でごったがえす。毎晩楽団が街を練り歩き、タコスやケサディージャ、メキシコの料理が鼻をくすぐる。朝、ひとけのない坂の上で、後ろを振り返ると、自分があこがれの街の中にいることをどうしようもなくうれしく思う。

2018.6.8 E.Funakoshi