#4

竪川の記憶

街並みは背を向けられ、上空には首都高の大構造物、墨田区両国付近を流れる竪川。ハードの側面から見れば、都市の繁栄の裏で置き去りにされたかのように感じるこの川に、私はなぜだか時折訪れたくなる。
朝、川が眺められる喫茶店で、一杯の珈琲をいただいていると、隣の民家から釣り竿が伸びている。どうやらハゼが釣れるらしい。
大火からの復興への想い、震災からの復興への想い、橋の名前に込められた地域の歴史、架けられた橋ひとつひとつにもまた、下町に暮らす人々の想いが刻まれている。
きらきらと、民家や橋桁、置き去りにされたボートに映る、みなもを眺めながら。

2014.7.11. K.Sakuraba

#4「竪川の記憶」の櫻庭敬子さんは、2011年3月都市デザイン研究室修了、GK設計勤務(超バリバリ!)、新宿や両国のお仕事では窪田もご一緒させていただいています。
まちなかを闊歩しつつあちこちに寄り道して人と語らい風景に想いを寄せる櫻庭さんの日常からの一枚は、水や人のダイナミックな動きです。(窪田)