#30

Love Canal, City of Niagara Falls

誰も疑わなかった幸せな郊外住宅地の日常が、突如として失われた。住宅地のなかに、突如広がった風景に、鈍器で殴られたような感覚を覚えた。
人は、土地に生きている。都市計画が、人間の生活を語るのであれば、何よりもまず、その土地を深く知らなければならない。当たり前のことを怠った時に支払う代償は、とてつもなく大きい。

2016.04.02 T.Kurose

米国Niagara Falls市Love Canalは、化学会社が有害廃棄物を埋めた運河の跡地である。1953年に、土壌汚染の存在とそのリスクも明記されたうえで、化学会社から市の教育委員会に1$で売却されたが、後に小学校と住宅地が建設された。1976年頃から地中の有害物質に起因する健康被害の可能性が指摘され、1978年にカーター大統領が非常事態宣言を発令、当該地の800世帯以上が移転することとなった。