#27

偶然読んだ小説のほんの一節に、心の底から救われることがある。
それは小説のときもあれば、コンビニの明りや、熱い缶コーヒーや、雨の日に香る金木犀だったりする。
だから空間を描くときは、できれば、図面に描き落とすすべてのパーツに祈りを込めたいと思っている。
いつかそこをうつむいて通りすぎる人のどうにもならない悲しみを、その1本の木が、花の色が、香りが、少しでも和ませることができますようにという祈り。

2016.1.28 Y.Ina